電気事故に学ぼう87保守不備(自然劣化)によるパワーコンディショナーの破損事故
2023年12月1日付にて経済産業省電力安全課から注意喚起している「更新推奨時期に満たない高圧ケーブルにおける水トリー現象に係る注意喚起に関する補足的周知」にもありますとおり、近年、自家用電気工作物設置事業場において、比較的新しい高圧引き込みケーブルが絶縁破壊する事故が増加しています。
今回は、引き込みケーブルではありませんが、太陽電池発電所において敷設環境に水の影響があった比較的新しい電線の絶縁破壊が起因である事故事例を紹介します。
中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
主要電気工作物破損事故
| 使用電圧 | 440V |
|---|---|
| 設置場所 | 太陽電池発電所 |
| 事故点の電圧 | 440V |
| 主任技術者の選任形態 | 外部委託 |
| 事故発生月 | 不明 |
| 供給支障電力・時間 | - |
| 事故発生の電気工作物 | パワーコンディショナー |
| 事故原因 | 保守不備(自然劣化) |
| 経験年数・年齢 | — |
| 天候 | - |
事故概要
運転監視装置で発電が停止していることを確認、現場調査により、パワーコンディショナー(以下PCSという)から煙が出ていること、また、直流電線路が格納されている管からも煙が出ていることを確認した。PCSおよび太陽電池パネルから直流電線路を切り離すとともに、キュービクル内の交流ブレーカーを開放した。
PCSは2023年製、直流電線は2016年製と比較的新しい製品であったが、PCS 内部の焼損とコンデンサの破裂および直流電線焼損のため、PCSおよび直流電線を交換し復旧した。
事故原因
太陽電池アレイからキュービクルに接続する直流電線路の立ち上がり部の防水処理がされていなかったため、埋設管に雨水が溜り、雨水により電線の被覆劣化が進み被覆が剥がれて短絡し、PCS内部へ高圧電流が流れ込み出火したものと推定される。
事故対策
配管に雨水が浸入しないように埋設配管の端末を下向きに設置し、端末をパテにて塞いだ。
正常なコンデンサおよび端子
(パワーコンディショナー内部)
コンデンサ破裂箇所
端子の焼損箇所
太陽電池発電設備設置者および所有者等の皆さまへ
敷設環境に水の影響がある場合は、更新推奨時期に満たない電線であっても地絡事故が発生する場合があることを念頭に、定期的に点検を実施してください。劣化の兆候が確認された場合は、更新推奨時期に満たなくても速やかに更新するようお願いいたします。
2023年度四国管内電気事故発生件数
(2024年3月1日現在)
| 事故種別 | 事故発生件数 |
|---|---|
| 感電死傷事故 | 0 |
| 感電以外の死傷事故 | 0 |
| 電気火災事故 | 0 |
| 他物損傷・機能被害事故 | 3 |
| 主要電気工作物破損事故 (うち太陽電池発電所の逆変換装置によるもの) |
18 (8) |
| 発電支障事故 | 3 |
| 供給支障事故 | 0 |
| 波及事故 | 9 |
| ダム異常放流事故 | 0 |
| 社会的に影響を及ぼした事故 | 1 |
| 計 | 34 |
