電気事故に学ぼう55他物接触(鳥獣接触)による波及事故
四国支部管内における波及事故は、今年度12件発生しています。また、過去5年間に発生した波及事故の主な原因は、自然現象(雷)(23件・40%)、自然劣化(13件・22%)、鳥獣接触(6件・10%)となっています。
今回は、6月に起きた波及事故事例を紹介します。
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
波及事故
使用電圧 | 6.6kV |
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設置場所 | 工場 |
事故点の電圧 | 6.6kV |
主任技術者の選任形態 | 外部委託 |
事故発生月 | 6月 |
供給支障電力・時間 | 613kW 2時間9分 |
事故発生の電気工作物 | 高圧負荷開閉器 |
事故原因 | 他物接触(鳥獣接触) |
経験年数・年齢 | - |
天候 | - |
事故概要
キュービクル内に蛇が侵入しLBS充電部に接触、短絡事故が発生。LBS1次側の相間短絡事故のため、電力会社の柱上開閉器が過電流遮断により開放したが、自動再閉路の構造ではなかったため、配電線が停電し波及事故となった。
事故原因
キュービクルの低圧ダクトから蛇が侵入。ダクトには砂を充填していたものの、ここから侵入したものと思われる。
LBS充電部の相間に絶縁バリアがなく、相間短絡を招いた。
再発防止対策
- ダクト内にモルタルを注入
- LBSの相間と両側面に絶縁バリアを取り付け
- 小さい蛇の侵入対策のため、キュービクル側面の通気孔のうち10mm以下の穴についても1mmメッシュの金網で閉塞
波及事故とは?
お客さまの高圧受電設備などで起きた事故が原因で、電力会社の配電線に接続されている住宅、ビル、工場、病院、銀行、交通機関、交通信号システムなどさまざまな範囲に停電が広がる事故です。自社の損失にとどまらず、他社の工場操業停止など、社会的にも大きな影響をもたらします。
鳥獣対策とは?
ケーブル引込口・引出口、通気孔、外箱の腐食破損箇所などから小動物が侵入し、高圧充電部に触れて短絡や地絡事故が発生することがあります。
・小動物が侵入するおそれのある穴(水抜き穴、通気孔)やすき間は、シール材でふさぐか、パンチングメタルを施設する
・限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器・変圧器・コンデンサなどの高圧充電部に、絶縁バリア・保護カバーを取り付けるなどの対策をしましょう。
平成26年度四国管内電気事故発生件数
(平成27年1月1日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 2 |
感電以外の死傷事故 | 0 |
電気火災事故 | 0 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 0 |
主要電気工作物破損事故 | 9 |
供給支障事故 | 1 |
波及事故 | 12 |
計 | 24 |