電気事故に学ぼう

電気事故に学ぼう53作業準備不良による感電死傷事故

四国支部管内における過去5年間(H21〜H25年度)に発生した感電死傷事故の原因別発生件数において、最も多いのは被害者の過失(5件)でした。ついで作業方法不良(4件)、作業準備不良(4件)、電気工作物不良(2件)となっています。
今回は、8月に起きた感電による事故事例を紹介します。

資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課

感電死傷事故

使用電圧 6.6kV
設置場所 製造業
事故点の電圧 200V
主任技術者の選任形態 外部委託
事故発生月 8月
供給支障電力・時間 -
事故発生の電気工作物 充電中のトロリー線
事故原因 感電・作業者(作業準備不良)
経験年数・年齢 経験年数34年・55歳
天候 -

事故概要

工場のクレーンガーター上において、天井走行クレーン給電用のトロリー線の近くで低圧ケーブルの布設作業を行っていた。低圧ケーブルをクレーンガーター上に布設時に、充電中のトロリー線に被災者の首が触れて感電、意識不明となった。被災者は安全防護具を着用していたが、汗で濡れた状態だった。

事故原因

本来、昼休みに停電して作業を行う予定であったが、作業者が安易に考え昼休み時間前にトロリー線が活線状態のまま活線近接作業を行った。また、作業実施について外部委託の主任技術者に連絡していなかった。

再発防止対策

  • 作業者に作業手順とその遵守、注意事項について再教育を行う。
  • 作業手順が変更となる場合は、もう一度作業者と主任技術者の間で作業手順、現場の安全の確認を行う。
  • 作業実施に当たっては、主任技術者に事前連絡して打合せを行う。

作業計画は?

現場の状況に応じた作業手順を安全確認も含め、適切に計画・作成しましょう。活線作業を行うことのないよう電気主任技術者と事前にしっかり打ち合わせをしましょう。作業経験の豊富なベテランでも、作業手順を守らないと、思わぬ事故につながることがあります。

作業手順を確実に守り、ヒューマンエラー(危険予知不足、注意力低下等)をなくし、事故ゼロをめざしましょう

絶縁用保護具、絶縁用防具の分類

分類 作業具名 用途
絶縁用保護具 電気用ゴム手袋(低圧用と高圧用)、電気用保護帽、絶縁衣および電気用ゴム長靴等 電気設備の点検や修理の時、露出した充電部に近づいた時に起こる感電を防止するために、人体が着用するものを指す
絶縁用防具 絶縁シート、ゴム絶縁管、碍子(がいし)カバー、絶縁カバー等 活線作業や活線近接作業の時、作業環境近くにある接触のおそれがある充電部等に装着(覆い被す)するものを指す

※6ヶ月に1度の耐圧試験が必要です

平成26年度四国管内電気事故発生件数

(平成26年9月30日現在)

事故種別 事故発生件数
感電死傷事故 2
感電以外の死傷事故 0
電気火災事故 0
社会的に影響を及ぼした事故 0
主要電気工作物破損事故 7
供給支障事故 1
波及事故 11
21