電気事故に学ぼう52保守不備(自然劣化)による波及事故
平成25年度は3月10日現在、波及事故が8件発生しています。
今回は設備機器の自然劣化による波及事故事例を紹介します。
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
波及事故
使用電圧 | 6.6kV |
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設置場所 | 公共施設 |
事故点の電圧 | 6.6kV |
主任技術者の選任形態 | 外部委託 |
事故発生月 | 11月 |
供給支障電力・時間 | 3,633kW 1時間 |
事故発生の電気工作物 | 高圧引き込みケーブル |
事故原因 | 保守不備(自然劣化) |
経験年数・年齢 | - |
天候 | - |
事故概要
電力会社のFGS(微地絡選択継電器)が動作し波及事故発生。電力会社にて切り分けたところ当事業所の事故と判明し、主任技術者が引き込み設備側で絶縁破壊していることを確認。
これまでの定期点検における受電設備の測定結果は良好であった。
なお、DGRは動作しなかった。
事故原因
高圧引き込みケーブルの屋外端末部分においてストレスチューブの内側で絶縁破壊の跡を確認。表面にはリーク痕など発見できず。経年劣化により三叉間管分岐ワイヤが腐食した上にストレス部分が突発的に破壊されたものと考えられる。
再発防止対策
- 事故発生部品の早めの取り替えについて検討する。
- DGRの制定値についてVo制定値について感度を上げるなど見直す。
- 引き込み開閉器についても経年劣化によりガスが抜けた場合に投入できなくなる構造であったため安全のため取り替える。
波及事故防止にとって重要なことは?
高圧受電設備は、長期間使用すると経年劣化により機能や性能が損なわれ、故障や不具合が起こり、波及事故につながることがあります。定められた周期・回数に基づく適切な保守点検を確実に行いましょう。
保守点検結果をふまえ、設備機器の改修・更新時期を検討し、適切な高圧受電設備の維持に努めましょう。
高圧設備の各機器の更新推奨時期
(高圧受電設備の施設環境や、機器の使用状況によって更新時期が異なります。)
高圧気中負荷開閉器 | 10年 |
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高圧CVケーブル | 15年(日本電線工業会調べ) |
高圧真空遮断器 | 20年 |
高圧交流負荷開閉器 | 15年 |
変圧器 | 20年 |
高圧進相コンデンサ | 15年 |
その他高圧機器 | 15〜20年 |
参考:(一社)日本電機工業会「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告(平成元年9月)
平成25年度四国管内電気事故発生件数
(平成26年3月10日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 3 |
感電以外の死傷事故 | 1 |
電気火災事故 | 0 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 0 |
主要電気工作物破損事故 | 18 |
供給支障事故 | 0 |
波及事故 | 8 |
計 | 30 |