電気事故に学ぼう51作業方法不良による感電負傷事故
平成25年度は、1月14日現在、感電死傷事故は3件発生しています。
今回は11月に起きた感電による事故事例を紹介します。
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
感電負傷事故
使用電圧 | 66kV |
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設置場所 | 造船所 |
事故点の電圧 | 6.6kV |
主任技術者の選任形態 | 選任(自社) |
事故発生月 | 11月 |
供給支障電力・時間 | - |
事故発生の電気工作物 | 遮断器 |
事故原因 | 感電・作業者(作業方法不良) |
経験年数・年齢 | - |
天候 | - |
事故概要
年次点検で絶縁不良が認められた所内サブ変電所の遮断器4台の交換作業のため、被災者は外注業者と作業を開始。活線作業にて高圧配電盤内の遮断器を順次切り離す作業を進めていたところ、3台目にかかったところで外注業者とのやりとりのため作業の中断があった。作業再開時に3台目は切り離したと思い込んだまま切り離し作業を終えて次の作業に移り、3台目の遮断器に触れたところ6.6kV充電部と遮断器側面に素手で触れて受傷。
被災者は受傷部の皮膚の治療のため20日ほど入院した。
事故原因
作業前の手順の確認が不十分であった。保護手袋の装着、検電器による確認を怠っていた。充電部分を保護するアクリルカバーの設置がなされていなかった。
なお、当日は本来、停電作業の予定であったが他部署で作業を行う必要が生じたため活線作業となった。
再発防止対策
- 明確な手順書作成。
- 当該作業実施に当たっては必ず元電源を切る。作業内容変更の際は作業を中止し、上長と確認する。月1回停電日を設け、その日に作業する。
- 遮断器の引き出し作業、接続作業は2名で確認を行う。
- 保護手袋の装着、検電の実施、“操業禁止”表示札の掲示。
- 保護カバー設置有無の総点検を実施。
- 高圧工事心得を取り決め職場で唱和し、意識の高揚を図ることを工場長率先して実施。
作業計画は?
現場に適したものを確実に作成しましょう。検電による充電部の確認、養生等絶縁防護具を使用した感電防止対策が必要です。
作業手順を確実に守り、ヒューマンエラー(危険予知不足、注意力低下等)をなくし、事故ゼロをめざしましょう
絶縁用保護具、絶縁用防具の分類
分類 | 作業具名 | 用途 |
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絶縁用保護具 | 電気用ゴム手袋(低圧用と高圧用)、電気用保護帽、絶縁衣および電気用ゴム長靴等 | 電気設備の点検や修理の時、露出した充電部に近づいた時に起こる感電を防止するために、人体が着用するものを指す |
絶縁用防具 | 絶縁シート、ゴム絶縁管、碍子(がいし)カバー、絶縁カバー等 | 活線作業や活線近接作業の時、作業環境近くにある接触のおそれがある充電部等に装着(覆い被す)するものを指す |
※6ヶ月に1度の耐圧試験が必要です
平成25年度四国管内電気事故発生件数
(平成26年1月14日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 3 |
感電以外の死傷事故 | 0 |
電気火災事故 | 0 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 0 |
主要電気工作物破損事故 | 15 |
供給支障事故 | 0 |
波及事故 | 7 |
計 | 25 |