だから電気はおもしろい

だから電気はおもしろい

だから電気はおもしろい 第6回考える家電

3月下旬、洗濯機を買い替えました。
前の洗濯機は20年間近く使っていたので、ずいぶん長持ちしたものです。
数年前から設定ボタンがおかしくなっていて、標準コース以外の機能が選択できないという状態だったのですが、我が家ではそれで十分だったので使い続けていました。
しかし最終的に、洗濯中にドタン、ガタンというような異常な音がするようになって、やっと買い替える気になったのでした。というわけで、我が家にやって来た洗濯機。前と同じ縦型全自動ですが、インバータ搭載機種になったので、大幅な省エネが実現できるハズの大型新人(洗濯容量10キロ!)です。
洗濯槽はピカピカで、「これで気持ち良~く、お洗濯ができるようになった♪」と私はウキウキ気分で、さっそく新人さんに洗濯をしてもらうことにしました。
ところが、初めてスタートボタンを押して、様子を見ていると……あれっ?なぜか動作が鈍いのです。
前の洗濯機ならスタートボタンを押すと、5秒ぐらいで洗濯物を計量して、パパッと水量と所要時間を表示し、洗剤を入れてフタを閉めたら即、洗濯槽に給水していました。
それが新人さんは、何やら考え事をしているようで、給水まで相当時間がかかります。
スタートボタンを押すと10秒ぐらいかけて念入りに洗濯物を計量。その後、水量と所要時間に加えて、洗剤の量を表示。次に洗剤を入れてフタを閉めたら、給水するまでに25秒かかります(この原稿を書くために、時間をはかりました)。
それにしても、「何をそんなに考えているの?」って感じ。
取扱説明書も見ましたが、私の操作手順に間違いはなく、時間がかかる理由は、何も書いていませんでした。
ちょっと不思議なロスタイムです。
ま、スタートが遅くても、全体の所要時間が短くなって、きれいに仕事をしてくれたら、どうでも良い話なのですけど。
最近の洗濯機って、大体こんなにゆったりとした感じなのでしょうか。
こんなことを考えていると、「ゆとり世代」っていう言葉が頭に浮かびました。
家電も進化するにつれて、人間のようにいろんな性格を持つようになるのでしょうか。


そういえば、うちの電気製品は、洗濯機だけでなく、エアコンも思い通りに動いてくれません。このエアコンは、2014年製です。
私は自宅では、ご飯を食べたり、パソコンをしたり、本を読んだり、書き物をしたりを一つの机で済ましています。
だから机に向かう時間がけっこう長くなります。
イスに座ると上部には、ちょうどエアコンの吹き出しがあります。
夏の熱い時には、リモコンでピッピッピッと冷房の風向きを真下に設定すると、涼しい風が直接体に当たって快適です。
ところがこのエアコンは、私の指示にずっとは従ってくれず、30分ほど経つと勝手に風向きを横向きに変えてしまうのです。
設定し直しても、30分後にまた同じことを繰り返します。
最近、初めて取扱説明書を見て、この勝手な動作の理由がようやく理解できました。
冷房時は風向きの設定を横向きにして、上に溜まりやすい暖かい空気を冷やすことで、冷房効果を上げ、快適な室内環境をつくることができます。
だから、通常は横向きになるよう、自動的に風向きを調整していたのです。
でも、私としては「そんなお気遣いは無用に願います」と言いたいですね。
今年の夏は、どうなることでしょう。たぶん、同じことを繰り返しているでしょうけど。


ところで最近、便利で快適で省エネにつながる「スマート(賢い)家電」が、身近なものになりつつあります。
たとえば、照明器具やエアコンなどは、家にいなくても、外出先から操作ができるようになります。
冷蔵庫は、買い物時に庫内のカメラで食材をチェックして、重複買いを防ぐなんてこともできるようです。
ちなみに我が家には、スマート家電と呼ばれるものは一台もありません。
そもそも、スマート家電の操作などで必要とされるスマートフォンやタブレット端末も持っていません。
こんな私でも、スマート家電を使いこなす日が、いつか来るのでしょうか。


近年、家電が進化してきて、単純な機能のものを見かけなくなりました。
でもいまだに、二層式の洗濯機が売られているそうですね。
私が20才頃、自分で買った最初の洗濯機は、二層式でした。
さすがにローラーを手で回して脱水するタイプではなく、脱水槽が回転するタイプでした。
その数年後、奮発して全自動洗濯機を買ったら2年ぐらいで壊れてしまって、修理を頼んだところ、「買い替えたほうがいい」と言われました。
「まだ買って2年ぐらいなのに!!」と訴えたのですが、「使用回数が多ければ、2年でも壊れます」と言われたことが、ずっと記憶に残っています。
確かにあの頃は、子供が小さくて、一日に2、3回は洗濯していました。
今度の洗濯機は、私にとって7台目になるのかな。
未だ馴染んでいませんが、末永くお付き合いいただきたいものです。


毎年3月に日本生産性本部が、その年の新入社員のタイプを発表しています。
平成28年度は、「ドローン型」だそうです。
『強い風(就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化)にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定を確保)できた者が多かった。
さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる。
内外ともに社会の転換期にあるため、世界を広く俯瞰できるようになってほしい。
なお夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワークライフバランスへの配慮や適性の見極め)も必要。』ということから命名されたそうです。
「ルールを守った運用や使用者の技量も必要」という話は、我が家の新人さんにも当てはまります。
使用者(私)は、まず取扱説明書を見て、長年親しんだ洗濯機に比べて動作が鈍くても、大目に見ましょうということですね。


本日、最終締め切りと聞いていたのに、相変わらず仕上がらないこの原稿と格闘していたら、印刷会社の方が「担当者が代わります」とご挨拶に来てくださいました。
原稿どうですか」と聞かれたので、「まだ書いています」と答えたのですが、最後までご心配をおかけしてスミマセン。
仕事上とはいえ、親しくしていただいた方の声が聞こえなくなるのは寂しいものです。
Mさん、お元気でね~。