電気事故に学ぼう44作業者の過失による波及事故
資料:中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課
波及事故
使用電圧 | 6.6kV |
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設置場所 | 工場 |
事故点の電圧 | 6.6kV |
主任技術者の選任形態 | 外部委託 |
事故発生月 | 1月 |
供給支障電力・時間 | 370kW 13分 |
事故発生の電気工作物 | 断路器 |
事故原因 | 作業者の過失 |
経験年数・年齢 | 63才 |
天候 | 晴 |
事故概要
電気主任技術者を含む3人で保安規程に基づく年次点検を実施していた。簡単な打ち合わせを行った後、設備を停電させ保護継電器試験、接地抵抗値測定、絶縁抵抗値測定などを行った。点検を終え復電作業を行っている際、断路器(DS)1次側の接地器具の取り外しを忘れた状態でPASを投入してしまい地絡リレーが動作した。
この事故により156戸が停電した。
事故原因
停電作業用の接地器具の取り外しを行っていない状態でPASを投入したため地絡が発生し変電所リレーが動作し波及に至った。
点検作業終了後、キュービクル周辺の後片付け、器具等の整理を行い、作業員全員で作業完了確認を行っていたが、キュービクル盤内の接地器具の取り外しを見逃していた。
停電点検時に点検中や接地作業中である旨の表示はしていなかった。
再発防止対策
安全確認作業の徹底として以下の手順で作業を行う。
- 停電作業の準備後、点検中の表示札の取り付けを行い、接地を行っている旨を目視により確認できるようにする。
- 停電作業終了後、工具や器具の取り外し・片付けとその確認を行う。その後、必ず高圧回路の絶縁抵抗測定を行う。
- 点検中の表示札の取り外しを行い、再送電を行う。
このほか、停電・復電作業における作業手順のチェックリストの利用や複数人作業の場合は作業前ミーティングで各人の作業内容、注意事項の確認を確実に行うことなどが考えられます。
平成23年度四国管内電気事故発生件数
(平成24年3月12日現在)
事故種別 | 事故発生件数 |
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感電死傷事故 | 5 |
感電以外の死傷事故 | 2 |
電気火災事故 | 0 |
社会的に影響を及ぼした事故 | 0 |
主要電気工作物破損事故 | 13 |
供給支障事故 | 0 |
波及事故 | 13 |
計 | 33 |