

梅雨の時期、高知県の西南端に位置する宿毛市のお客さまを訪問した時のことです。
奥さまに挨拶後、調査内容を説明し、電気のメーター付近での漏電調査と屋外点検を実施しました。結果は、異常ありませんでした。
屋内点検、分電盤点検を行うにあたり、電気設備を使用していて気付いたことは無いかお尋ねしたところ、「電気を点けるところから緑の汁が出よるけんど、かまんろうか?」とのお話がありました。
頭の中は何のこと???「どこですか?」。その場所に案内してもらったところ、台所のガスコンの上の照明用引っ掛けシーリングに「緑の汁」がついていたのです。
「緑の汁」をペーパータオルで拭き取ってよく見ると、油状でベトベトしていましたが異臭はありませんでした。その場所はもう1個所あり、納屋の電灯スイッチの配線からも同じようなものが出ていました。いずれの場所も電線はケーブルで、クリーム色のVA線でした。配線工事は40年以上前に行ったとのことでした。
漏れ電流値には異常ありませんでしたが、念のために絶縁抵抗測定を行ってみましたが、規定値以上で問題はありませんでした。
ケーブル接続部のテープ巻きが不十分な個所や、被覆の損傷個所等から電線内への水の浸入を疑いお客さまにお尋ねしたところ、「雨漏りはしたことは無いがこの家は、前が田んぼでこの時期はうんと湿気が有るのでそうやろうかねー」とのお話がありました。
「原因はハッキリしませんが、何らかの事情で古い塩化ビニールに含まれる成分と湿気(水)と銅線から出る銅イオンが化学反応を起こし緑色になったものと思われます。」とお客さまに説明しました。
ケーブルにも耐用年数があり、使用状態によって異なるものの、おおよそ20年から30年を基準としていることを説明し、当該ケーブルを取り替えすることをお勧めしました。
また、漏電ブレーカーの取り付けについて、「今は漏電も無いですが、漏電は何時起きるかわかりません。安全のために従来からお願いしておりますように、電気工事店で取り付けてもらってください。」と、改めてお願いしました。すると「そうやねー、知った電気屋さんがおるけん取り付けてもらわんといかんねー。」と、ご理解いただけました。
それから2~3カ月過ぎた頃、近くへ行った際にお伺いすると、新しい電線で引っ掛けシーリングの位置もガスコンロから離すように移動され、分電盤も新しくなり漏電ブレーカーも取り付けられていました。また、お客さまからは「ブレーカーを増やしてもらったので安心して電気器具が使用できるようになった。」と、喜んでいただきました。
お客さまが設備の改修に取り組んでいただくには、電気設備の不良個所、内容、改修方法について、お客さまの身になって懇切丁寧な説明を行うことがいかに大事であるか、認識を新たにしました。