


●事故概要
被災者は建造船の最下層での溶接作業を終え、その上の階のデッキを移動中、デッキ上に設置の換気用送風ファン(三相200V)の横で倒れた。同僚がマスクをしたまま送風ファン横で倒れている被災者を発見し、息がないのを確認した。同僚3人を呼び、担ぎ出そうとしたところビリビリと感じ足場板でファンを突き飛ばして被災者を救出した。心臓マッサージおよびAEDの救命処置を実施、救急車にて病院搬送した。(右足の膝裏と左足踝に電流痕)
事故原因は、素人によるケーブルの接続工事のため、電源ケーブルの接続不良が起こり、接地線と動力線が混触となり漏電していた。このため、送風ファン外装箱に200Vが加電されていた。
●事故原因
| ① | 不適切な電気工事 送風ファンの電源ケーブルと延長ケーブルとの接続作業を有資格者以外が行っており、ケーブルの接続部はリングスリーブにより圧着接続されていた。本来は有資格者が工事をすることになっていたが、協力業者が勝手に工事をしていた。また、ケーブルを床に敷設しており、人等に踏まれ接続部のテーピングが損傷していた。このため、リングスリーブからはみ出した銅線が絶縁テープを突き破り、混触(黒線と接地線)に至り、漏電していた。 |
| ② | 漏電ブレーカー・機器アースの未設置 送風ファンの機器アース(D種接地)が未設置であった。また、漏電遮断器が未設置であった。 |
●再発防止対策
| ① | 適切な工事の実施 電気機械器具の漏電確認とケーブル接続部の開放点検を全数実施する。以後の有資格者以外によるケーブルの結線作業を全面禁止とし、有資格者が確実に工事を行う。 |
| ② | 電線保護の徹底 電力線の空中敷設や床に敷設する場合はカバーを設置し、人・車輌の通行による電線の劣化を防ぐ。 |
| ③ | 必要機器の設置 機器へのアース(接地工事)を確実に行い、漏電に備えて漏電ブレーカーを設置する。 |
| ④ | 点検・教育の実施 機器の管理や知識が不足していたため、電動機械器具に関する教育を行い、機器について定期的に点検を行う。 |

●感電事故防止の注意喚起
平年、感電事故・感電以外の死傷事故は合わせて1~2件で推移している中、本年度、当支部管内においては感電死傷事故4件、感電以外の死傷事故が2件発生しております。
発生した死亡事故2件はいずれも低圧の電気機器の不具合による漏電で被災しました。接地工事が未設置であり、漏電遮断器が未設置若しくは動作不良でした。また、夏期ということもあり、汗や雨によって水気が多かった事も事故の原因と考えられます。
自家用電気工作物の設置者、または電気の保安担当者の皆様におかれましては、電気設備の接地・漏電遮断器の設置などを確実に行っていただくとともに、電気機器の使用者への電気設備の取り扱いや危険性についての社員教育の確実な実施をお願い致します。
