

●事故概要
- 当日は、病院内の照明器具の取替工事中だったが、工事中に漏電警報機が鳴動したため、事業者は急遽漏電の改修工事を追加依頼していた。
- 漏電調査依頼を受けた主任技術者は、漏電している個所の分電盤を発見した。そこで、請負業者の下請け業者(以下、被災者と呼ぶ。)が、漏電個所を特定するために詳細な調査・作業を開始。主任技術者は、分電盤で漏れ電流の変化を監視していた。
- 被災者は、漏電している部屋の天井パネルの一部を開き、脚立に上がって天井裏に上半身を入れ、低圧電灯回路の接続個所(差込みコネクタ)で配線の切り分け作業を行っていた。その際、差込みコネクタから抜いた電線を再度接続する際に、左手小指内側に充電部が接触、その電撃で充電部を握り込み感電した。
- 被災者は、感電した旨を他の作業者を通じ主任技術者に伝え、主任技術者は当該回路のブレーカーを切った。被災者は、自力で脚立から降り、直ちに、当該事業場で応急処置を行った後、専門医のいる他の病院へ救急車で搬送、1週間入院した。
- その後、別の下請け業者が停電状態で漏電個所の特定と改修作業を行い、漏電状態は解消された。漏電の原因は、当日に別で行われていたこの部屋の天井パネル張替工事の際に天井に打ち込んだビスが電線を貫通させてしまったことが原因と特定された。
- 電流は、左手小指から流入し、天井の金属部に接触していた背中から流出したと思われる。火傷等の外傷はなかったものの、感電による電撃傷と診断された。
- 事故当時の被災者の服装は、安全帽、安全靴、作業服、作業用手袋であった。
●事故原因
- 漏電していた低圧回路は、重要度の高い保安回路であったため、請負業者の現場代理人が停電せずに漏電個所の特定作業を被災者に指示した。
- 被災者は、低圧回路の接続材料が差込みコネクタ(プラスチック製)であったため、活線状態であったものの充電部に触れることはないと判断し、低圧絶縁手袋を着用せずに作業した。また、現場代理人も、低圧絶縁手袋の着用を指示しなかった。
●再発防止対策
- 屋内配線工事(漏電調査を含む)は、原則停電状態で作業を行うが、やむを得ず活線状態で作業する場合は、請負業者に対して必ず防保護具の使用を要請する。
- 建物改装工事にあたっては、建設業者に屋内配線等の電気設備の位置を事前に確認させ、電気設備を損傷しないよう要請する。


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